ダブルクロス (en:double-cross) は英語で裏切者のこと。
ゲーム・フィールド(F.E.A.R.の出版部門の会社)主催のゲーム大賞の準入選作品であるが(「ユニバーサル・ガーディアン」というタイトルで受賞)、同時に大賞を受賞した異能使いよりも先に商品化され、後に矢野はF.E.A.R.社に入社している。
「レネゲイドと呼ばれる未知のウィルスの影響で、超常能力者となった主として少年少女たちが、彼らの平凡な日常を守るために非日常の力を駆使して戦う」というテーマは、ティーンエイジャー向けのライトノベル作品などと相性がよく、現代物のテーブルトークRPGの良作として支持を受けている。
システム的には、守るべき日常の象徴として他者との絆を表すロイス(『スーパーマン』クラーク・ケントの恋人の名前から取られている)と、それが喪失あるいは昇華された際に強い力の源となるタイタス(シェイクスピアの復讐劇『タイタス・アンドロニカス』から取られている)という2つのコネクション概念によって作品テーマが表現される。 力を使えば使うほど、他者との絆を失えば失うほど、日常には戻り難くなる(=ゲーム的な死=キャラクターロスト)構造になっている。
また、ステージの概念を導入しており、舞台設定を変化させることによって様々な物語への対応が可能である。
プレイヤーキャラクターの創造はクラス制に属する。
ダブルクロスではキャラクターが使用できる超常能力の性質をシンドロームと呼ばれるカテゴリで区分けしている。シンドロームはいわゆるキャラクタークラスに相当する。キュマイラシンドロームの持ち主であれば筋力強化の超常能力、エグザイルシンドロームの持ち主であれば肉体変形の超常能力が使えるといった具合である。
全てのキャラクターは、シンドロームを2つ選ぶことで作成される。選んだシンドロームによってキャラクターが習得できる超常能力(エフェクト)が決定される。なお、シンドロームは2種類別々に取得しても、1種類を重ねて取得してもよい。前者のキャラクターはクロスブリード(混血種)と呼ばれ、シンドロームの組み合わせによって幅広い超常能力を得る。後者のキャラクターはピュアブリード(純血種)と呼ばれ、使用できる超常能力の種類が限られる代わりに強力な威力を発揮できるようになっている。
行為判定
行為判定は上方判定に属する。行為判定は以下の流れによって行われる。
ゲームマスターは行為判定に必要な目標値を宣言する
プレイヤーキャラクターは行為判定に使用する能力値を選ぶ。
プレイヤーキャラクターは行為判定に使用する能力値の数だけの10面体ダイスを振る
振られたダイスの中からもっとも高い目の値に技能値などの修正値を足す。この値を「行為判定の達成値」と呼ぶ。
達成値が行為判定の目標値以上ならば、行為判定は成功したとみなされる。
ダイスを振ったときに出目がクリティカル値(通常は10)以上のものがあれば、クリティカル値以上の出目が出たダイスの数だけもう一度ダイスを振る。そして新しく振られたダイスの中でもっとも高い出目に10を足したものを「行為判定のダイスの出目」とみなすことができる。二回目に振られたダイスにおいて10があった場合はさらにクリティカル値以上の出目が出たダイスの数だけもう一度ダイスを振れる。これを1クリティカル値以上の出目が出なくなるまで続け、振りなおした数だけダイスの出目に10が足されていく。
エフェクト
プレイヤーキャラクターはシンドロームごとに用意されたエフェクトと呼ばれる超常能力をレベルアップのたびにいくつか習得することができる。エフェクトはファンタジーRPGで言う魔法のようなものであり、電撃を発生させたり火球を放ったりなどもできる。
ダブルクロスではエフェクトを使用するときはマジックポイントのようななんらかにポイントを消費することはなく、エフェクトはいくらでも使うことができる。ただしエフェクトを使うたびに侵食値といわれるものが溜まっていく。これについては後述する。
エフェクトは複数のものを組み合わせて同時に使うことも可能である。ただし、エフェクトに関連する技能が同じものでないと組み合わせられない(シンドロームは別でもよい)。任意のエフェクトを組み合わせることで自分だけのオリジナル必殺技を作り出すといった演出も可能である。
侵蝕率とロイス・タイタス
プレイヤーキャラクターが超常能力を使えるのはレネゲイドウィルスと呼ばれるものに感染しているからなのだが、このウイルスは様々な要因(シーンへの登場、ウィルスにより発揮されるエフェクトと呼ばれる特殊能力の使用等)により活性化される。これを表す数値は侵蝕値(%表記)と呼ばれる。
侵蝕値は上昇すればするほどキャラクターの能力を強化する。判定に使われるダイスの個数が追加され、エフェクトのレベルは実際の値よりも高いものとして扱われ、クリティカル値も低下していく。しかし、侵食値がゲームのクライマックス終了時に100%を超えていると、キャラクターはレネゲイドウィルスがもたらす邪悪な衝動に飲まれて暴走したとみなされ、それ以降はNPCとなってしまう(日常からの離別)。 そこで、ウィルスの活性化を押さえる要素として存在するのがロイスである。
ロイスは具体的に言うと、そのキャラクターの日常生活における他者に対する感情(愛情や友情に限らず、敵意や恐怖などのネガティブなものも含まれる)である。そして、通常の人間でなくなってしまったキャラクターを日常に引き止める絆でもある。
具体的には、クライマックスの終了後に自律判定という判定行為が行われる。 その際に、その時点で結ばれているロイスの数と同数(もしくは終了後に与えられる経験点の一部もしくは全部を放棄する事によりその2、3倍の)の10面ダイスを振ってその出目の合計を侵蝕値から差し引く事ができ、その差し引いた侵蝕値により暴走化の判定が行われる。
そのためにプレイヤーは積極的に他者との関係を結ぶ事を求められるため、戦闘だけでない多彩な物語が産み出される事が多いのが本作品の魅力の一つとなっている。
また、ロイスはその対象が失われる(死亡、離別、対象に裏切られる、または自らその感情を断ち切る等)事によりタイタスに変化する。 そしてキャラクターはタイタスを使用(昇華)することにより爆発的な攻撃の強化や自らの甦生を行うことが可能となる。 ただしロイスとタイタスは合計7つまでしか所有する事ができず、タイタスを昇華しても1セッション中は7つの枠を埋め続けるため、タイタスが増えるほど所有できるロイス上限は減少する。 これにより、現在の侵蝕値を確認しながらの緻密な計算が必要となり、安易なパワーゲームへの移行を抑止している事も本作品の評価の高さの一因になっている。
Dロイス
サプリメント「ブレイクアップ」から追加された要素。
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これを取得する事により、通常の感染者とは異なる特殊なキャラクター設定と能力を得ることができる。ただし恒常的にロイスの1つとして扱われる上に自律判定のダイス数に含められないため、通常の感染者よりも日常への帰還が困難になるという欠点も併せ持つ。
Sロイス
サプリメント「ハートレスメモリー」から追加された要素。
キャラクターが所持しているロイスのうち「最も大切であるロイス」を1つ選択し、Sロイスとすることができる。Sロイスはロイスとして守り抜けば経験点にボーナスが与えられ、タイタスとして昇華すると通常のタイタスより強力な効果を得られる。